グラスリップがよくわかるお話(~10話編)
今期もっとも一週間が待ち遠しい作品『グラスリップ』。
残り話数も少なくなってきたのに
伏線を回収する気配がちっともしない実に難解なアニメです。
まさかこの作品の記事をもう一度書くとは思いませんでした。
10話まで見て物申さずにはいられないはやる気持ちを抑えきれませんでした。
ふりかえり放送すると思ったんだけどなぁ。
じゃないと本気でわからなくなるよ、このアニメ(´・ω・`)
今回はとても長くなるので興味のない方はここでブラウザーバックすることをオススメします。
EDの章
これって溶けたガラスに息を吹き込んで形を作る製作行程の暗喩ですよね。
ガラスは割れても、また溶かして作り直すことができます。
まったく同じ形はならないけど何度でも作り直すことができるのです。
EDの歌詞がアニメの内容を反映して作られたのだとしたら、
そんなテーマがこの作品にはあるんだと思います。
全国に一億六千万人いるグラスリップファンにとっては周知の事ですよね( ・ω・)
そんなことよりも第1話からずっと気になってたダビデの疎外感。
前回の記事で『もしダビデが来なかったら~』と冗談で書いたけど、ひょっとして本当にそうなるのでしょうか?
その考察は後ほど。
余談。
アイスの名前がそれぞれ「glasslip」「カゼミチ」「P.A.Orenge」とクレジット(?)になってる。
こういう遊びは好きだけど、おかげでまじめに考察しづらいのも事実(´・ω・`)
幸&祐の章
第10話でクライマックスを迎えた幸のエピソード。
おおかたの人は
幸→透子(恋愛対象としての好き)
幸→祐(友達としての好き)
と、解釈したんじゃないでしょうか。
ま、それで正解なのでしょうね(´・ω・)
2年分の片思いがそうさせるのか、あるいは悟りを開いたのか祐くんは平気の様子です。
同じ男としては簡単に納得できない状況だけど・・・。
エロゲ脳としては3ピ(ピチューン)
以前「幸は透子に依存してるんだと思う」と書きましたが、その理由はふたつです。
- レズ設定はありきたりだから。
- 自身の短命を悟っている幸は、生涯を尽くす対象として透子を選んだ。
こんな風に想像していたのですが、9話の引きを10話のアバンであっさり解決したところを見ると製作は幸にそこまで深い設定を入れるつもりはないのだろうなと諦めました(´・ω・`)
このときの涙は祐くんへの罪悪感からだと解釈していいんですね。
止め絵の演出はいいのですが、このシーンは長すぎじゃありませんか?
祐くんのゆがむ顔を描きたくなかったんですかね?
それともクラシック曲なんか使ってるから使用料でセル画に回すお金が無くなっちゃんったんですかね?
何かが吹っ切れた様子の祐くんはダビデへの態度も大人です。
この「俺に答えなくていいよ」っていう台詞がいい味出してます。
暗に「さっちゃんには納得のいく説明をしてやれよ」と言ってるわけですよね。
なのにちんぷんかんぷんなことしか言えないダビデ・・・・・・( ´・A・)
祐くんもダビデからまともな答えが聞けるとは思ってなかったのかもしれませんね。
自分にとっての一番のお気に入りキャラは祐くんですね。
祐くんが居るからこそ毎週見れると言っても過言じゃないです!
やなぎ&雪哉の章
10話のこのシーン見て涙がぽろぽろこぼれました( ;ω; )
年をとると涙腺が緩くなって困りますね(´・ω・`)
もう、この作品これで終わりでいいんじゃないかなと思うぐらい感動でした。
しかしふたりのやりとりが理解できないというコメントも散見いたします。
仕方ないですよね。
このやりとりをすんなり理解できた人は誠に残念ですがたぶん電波系の人です。
ここでちょっとふたりの関係をおさらいします。
やなぎと雪哉は再婚した両親の連れ子同士、血のつながらない姉弟であることは本編でも語れていますね。
再婚がいつ頃なのかは定かではありません。
やなぎが結婚式の様子をしっかり覚えてたことと雪哉のいろいろな態度から推測して、ふたりが知り合うのは小学校4年から6年のあいだだろう思います。
雪哉がやなぎのことを家族してしか見ていなかった一方でやなぎは雪哉のことを異性として見ていたわけです。
しかし日乃出橋でのやなぎの告白。
そしてダビデパンチの回でふたりはお互い違うものを見ていたことを思い知るわけです。
一緒にいた時間が長かっただけに、このすれ違いはふたりの心を大きく揺るがしました。
10/3追記
なぜわざわざダビデパンチの回を引き合いに出すのか?
雪哉は自分の感情だけで殴ったのに対して、やなぎは雪哉を守るために手を挙げたからです。
雪哉のやなぎをからかうような態度から察するに彼は自分にアドバンテージがあると思い込んでいたところがあったのでしょう。
しかしいざというときに先に動けたのはやなぎだったのです。
対して自分は好きだと言われただけでしどろもどろになってしまう。
やなぎはこの感情を抱えたままずっと平常心でいたわけで、急に彼女の存在が大きくなったように感じたことでしょう。
こういう表現にない情報をどこからともなくキャッチして脳内補完できないとこのエピソードは瞬時に理解できないのです。
なのでわかってしまった人は電波系なのです。
今宵も脳髄がうずく心地よい電波が流れているわ・・・・。
透子さえいなければやなぎは家族以上恋人未満のこの感情をひとりで抱えつつも、新しい出会いや時間と共に思い出へと昇華することもできたのでしょう。
雪哉にしてもこの状況変化は簡単に整理できないものです。
結果距離を置くという行動にでました。
#このヘタレめ。まぁ年齢や事情からして仕方のないことですけどね(´・ω・)
やりきれない想いを抱えたやなぎがとった行動は謎の暗号文を送ることでした。
自分の見たり感じたりした日常を簡素な文章で伝えることにどんな意味があるのか?
残念ながら9話の雪哉にはまだわからなかったことでしょう。
やりきれない想いを抱えたやなぎがとったもうひとつの行動は雪哉のフィールドワークをなぞることでした。
このふたつの行動にどんな意味があるのか?
現実的に考えるならやなぎ自身にもわかってなかったのでしょう。
何か行動をせずにはいられない。そんな状態だったと思います。
しかし人間なんて言うものはたとえひとつ屋根の下で暮らそうとも同じ景色を見てないものです。
だからやなぎに見えている景色を雪哉に知ってもらうこと。
そして雪哉が見てる景色をやなぎが再確認すること。
言いかえるなら雪哉に理解してもらいたい、雪哉を理解したいという想いから出た行動があのふたつだったのでしょう。
ランニングから帰ってきたやなぎに、今度は雪哉の方から語りかけるわけです。
海風の心地よさ。駄菓子屋の爺さん。坂道のつらさ。
ひとつひとつは些末なことだけど、これはやなぎにとって大いに意味あることだったのです。
それは雪哉と共感を得たこと。
なによりそれを雪哉の方から言ってきたこと。
すなわちこれはやなぎが歩み寄ることを許してもらえた瞬間なのです。
水筒を手渡すこの距離は、ふたりの心の距離を意味してるのでしょうね。
「おかえりなさい」「ただいま」
この言葉は大切な隣人にかける挨拶です。
ふたりはお互いが側にいることを許し合えたのですね。
このあと男女の仲になるのかどうかは知ったこっちゃありません。
そうであってもそうでなくても、ふたりは幸せな関係を築けるとことでしょう。
それはそうと6話以降やたらと察しのよくなったやなぎ。
7話の会話のどこをどう察したらさっちゃんの秘めた思いに気づくのでしょうか?
普段のつきあいからある程度推察ができたとかかな?
陽菜の突然の申し出にもそつなく答え、それどころか彼女の不安を少しでも和らげようとする心遣いさえも感じます。
「ダビデを殴ったことでテレパスに目覚めた」
とか言われても今更驚きはしませんがね(´・ω・`)
さっちゃんの告白を受けたあとの祐くんもそうだけど、一度失恋して自己を見直すことで大人になったと解釈するのがいいんでしょうね。
1話の頃に比べるとやなぎの言動にはどこか落ち着いた雰囲気を感じます。
将来の章
ここでちょっと脇道に逸れます。
高校3年の夏のわりには登場人物はどいつもこいつも緊張感がありません。
受験とかは考えてないのでしょうかね?
一番はっきりしてるのはやなぎ。
モデルを目指してレッスンを受けているという設定がちゃんとあります。
劇中でもその様子がほんのちょっとだけありました。
この業界に関しては詳しくありませんが、モデルってもっと若いときからオーディションとか受けるものなんじゃないかなぁ?
その辺を考えると彼女の将来がちょっと不安になります。
受験勉強もしているようではありますが・・・。
鳥が好きすぎて鳥頭になりそうな透子はどうやら美大、もしくは専門学校を目指してることが判明しました。
根拠は「クロッキーとデッサンはしてる」「筆記試験無くてよかったわね」の会話だけですが。
ひょっとしたらそこで資格を取って実家のガラス工房を継ぐつもりかもしれませんね。
現在の空気は読めないけど将来は見通す。
この作品の主人公らしいといえばらしいですね。
雪哉は短距離走のホープだったが高一の時に膝に矢を受け足を壊してしまったという設定。
この不幸がなければ体育大、あるいはプロの選手を目指してたのかもしれませんね。
やさぐれた期間があるものの、ランニングを続けてるところを見ると陸上関係の将来を目指してるのでしょうか。
ハンディキャップを背負いつつもがんばる姿はステキです。
やなぎは男を見る目があるかもしれませんね。
幸の場合は将来の残された時間の方が気になりますね。
まぁ、なんだかんだで今の医療技術だと長生きできるので心の持ちようで幸せになれるんじゃないでしょうかね。
透子が美大を目指しているなら、ちゃっかり文学部を受けて追いかけてくることでしょう。
祐くんはどうするんでしょうね?
まさか登山家を目指しているのかな?
だとしても生活をするための仕事は就かないといけないわけで・・・。
選ぶ女の子も将来もえらくハードルが高いですよね
( ;^ω^)
考えてない!
以上!!!
家族の章
7話からよく動くようになった陽菜。
この子(の水着)目当てで毎週見てる人(紳士)も多くいらっしゃることでしょう。
コミックス展開の方では「シスコン」という設定がありますが、なるほど一緒にお風呂に入ったりと思い出したようにシスコン設定が生かされてます。
あの母親とあの姉を持つわりには『未来がわかるならボートレースで一発当てる』と地域振興もこなすしっかりした子です。
本当にいい子です(*´ω`*)
キチガとぼけた発言の多い透子の母ですが、アレでいて娘たちのことになるとちゃんと見てるんですよね。
察しもいいしキチガ気遣いが上手です。
この作品におけるいい大人のあり方は「察しの良さ」だったりするんでしょうかね?
そう考えるとあの人の両親は「いい大人」じゃないことになりますね。
あの人とは、
そう沖倉家の人々です。
父親の方は息子を理解してる節があるけど、靴をそろえられない残念な人です。
母親に至ってはとんちんかんもいいところ。
「ダビデがおかしいのはどう考えてもこの両親が悪い!」と別作品のタイトルみたいなこと言いたくなります。
なぜひとり息子が庭でテント暮らしをしてるのか?
両親はどうして平気でいられるのか?
最低でもこの二つは最後までに明らかにして欲しい。
いやホントに!切に!
ダビデが心に病を持っていて両親はそれを見守ることしかできないとか、ダビデの能力により両親ですら関心を引くことができないとかいろいろ想像はできるけど、これらの理由がない場合はただ単に両親が人間としてクズだったという事になってしまいます。
仕事の都合で幼い息子を連れ回した前例がある母親は、どこか自分のことしか見てない節がありますね(´・ω・)
家族に恵まれた透子と残念な家族を持つダビデ。
類似する能力を持ちつつも対照的に描かれているのは、ひょっとしたらこの作品の根幹に関わるかもしれませんね。
ダビデの章
#いいかげん“駆”って名前で書いてやれって気にもなってくるけど、どうしてもこのキャラを名前で呼びたくない(´・ω・`)
このシーンはグラスリップ視聴者の度肝を余すことなく引き抜いたことでしょう。
確かにクリエイターにはマンネリ化を避けるために視聴者が引くくらいの予想外のことをしなくちゃいけない時ってのはあるんじゃないかと思います。
でも、これは違うんじゃないかな?
動画を停止して真夜中であるにもかかわらず腹を抱えて笑わせていただきましたけども、監督の狙いとしてはそれでよかったんですか?いや違うはずだ(反語?)。
記憶喪失とか多重人格って話の題材としてはおもしろいけど主人公がそれだと途端に共感しづらい作品になる気がする。
まして出番が少なく発言をすれば会話がかみ合わないとくれば、このキャラは誰が共感するんですかね?
#「ダビデがいないと話がおもしろいな」とか言われちゃうわけですよ(`・ω・´)
この分裂したダビデがいったい何なのか?
10話になったのにもかかわらずちっともわかりません。
影や炎の照り返しがしっかり描かれていることから、ダビデにとってはおぼろげな幻覚ではなく実体を持っているのと変わらないぐらいはっきりと見えているということが伺えます。
これがダビデの別人格なのか、あるいはイマジナリーフレンドのような何かなのか?
10話の内容と次回予告がちょっとだけヒントになってる気がします。
ヒント1
「友達はできるが忘れられてしまう」
いったい何を言ってるのかわからねぇと思うが、僕にもわかりません(´・ω・`)
制御不能な記憶消去の能力でもあるのでしょうか?
山登りの誘いを断ったり人との接触を避ける節があるのはそのため?
1話で透子がふりかえったときにダビデが消えていたのも、単に通り過ぎたのではなく記憶に残らないから?
まさか最終話のEDでは心霊写真のようにダビデのいた場所だけ空白になってないでしょうね!!!!
ヒント2
不穏な次回予告も気になります。
「駆くん何言ってるの?私たち昨日ずっと一緒にいたのに・・・」
この台詞の意味するところはまたダビデがトンチキな発言をするのでしょう(´・ω・`)
記憶がなくなったのか人格が変わったのか素でぼけてるのかわかりませんが物語が大きく動き出すことは確かですね。
ヒント3
百(テヘペロの姉君)の彼氏がコーヒー好きで、ダビデが真夏にホットコーヒーを飲んでいたことも引っかかります。
ダビデ家でコーヒーを飲んでるシーンが先にあるので偶然の一致かもしれないけど。
もしかしたらダビデには感情操作のような能力があるのかもしれない。
百の彼氏にコーヒー飲みたいという感情を植え付けた?あるいは受信した?
しかし接点もなければ登場すらしていない人物がなぜ?
ヒント4
「近所の子供がお祭りの時にお祭りモードに入る」
何度聞いても意味がわからない父親の証言です。
そのお祭りモードのあとに友達から急に忘れられるとも。(†唐突な当たり前の孤独†)
これがダビデの秘められた能力に関連するのだとしたら、6話での雪哉「おまえが来た時点で波風立ちまくりだよ」ダビデ「そうだろうな」という会話の意味が少し変わります。
ダビデが透子にちょっかいかけてるからグループに亀裂が入ったというのが正常な解釈ですが、ダビデの近くにいる人がみんな狂っちゃうといったたぐいの能力があるとしたら別の解釈ができます。
かつてできた友達がお祭りモードになってしまったように、ダビデが望まなくてもグループに影響を与えているとか・・・?
ダビデの周りに起こる不可解な現象を説明するには未来予聴以外の特殊能力が必要な気がするんです。
3人いるダビデはそれぞれ別の能力を持っており、何かの条件で変わるとか?
と、ここまで書いておいてなんだけどこんなファンタジーな設定必要なのか?(´・ω・`)
ブログのタイトルに反してよくわからないお話になってしまいましたね(´・ω・`)
これ以上ダビデのこと考えると頭がおかしくなりそうなので切り上げます。
(追記09/16)この記事を書いたあと、唐突の当たり前な発熱により1週間ほど寝込んでしまいました。ダビデのこと悪く言い過ぎたかしら?(´・ω・`)
透子の章
7話を境に透子の能力に変化が見られます。
鳥が一緒に映っている時は心象風景を見ているような気がします。
#ところでOPにもEDにも鳥がでてきますが、この謎の鳥推しはP.A.WORKSだからってことでいいんでしょうかね?
それから見えているビジョンの中に立つようになりましたね。
透視した空間にトリップしてると言えばいいのでしょうか。
実は透子は夏休み直前に何らかの事故にあって昏睡状態になっている。
現実はすでに冬になっており、8話で見たような景色になっている。
アニメのストーリーは透子が見る夢であり、見舞いに来た人が語りかけた内容が透子には未来透視として映る。
「祭りが終わっちゃう」と透子が夏を惜しむのは、本能では時間経過を知りつつも夢を見続けたいと願う透子の願望。
ジョナサンは透子の分身。
夢診断で自由の象徴である鳥だが鶏は空を飛ばない。
これは自由を望みつつも夢から出て行きたくないという本音なのではなかろうか?
汚れのない真っ白な鶏のジョナサンはよそから来たと言っていたが、透子が夢の世界に新しくやってきた新人だとする暗喩ではないかと。
そもそも日乃出浜高校で鳥を飼っていない。
鶏小屋が綺麗すぎるのと10話でふりかえって二度見た謎の行動が透子の本来の記憶からきた違和感だったとするなら説明がつく。
となると夢世界にはあと4人いることになる。
足の怪我で絶望した雪哉。元々寿命が短そうな幸。そしてそのふたりを好きなやなぎと祐。
想像したくないが、みんなもう・・・・・。
なんてことを最終話で暴露されても今更驚きません!(`・ω・´)
できれば外れていて欲しい。
この仮説では説明つかないことの方が多いから大丈夫だと思うけどね。
由来の章
インタビューで監督が「glasslip」のタイトルの由来を語ってました。
何でも「ガラスをのぞいた向こうにトリップ=旅をする」ことからガラス+トリップの造語なんだとか。
でもトリップのスペルはTrip・・・。
glasslipだと「ガラスの唇」になる・・・。
残念だけど、これは誰も気づかないんじゃないかなぁ(´・ω・)
こんな感じでヘヤピンカーブにフルアクセルで突っ込みそう勢いでクライマックスを迎えるグラスリップを皆さんも見守っていきましょう。
是非とも一挙放送をして欲しいものです。