pokotan_RXのブログ

適当にアニメのことを書いてると思います。

アニメ『トクナナ』が楽しく見れるお話【捕捉】

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違う世界、違う東京。
そこはエルフやドワーフと言ったゲームか何かでしか
見たことない“異種族”が住まう平穏な日本。
変わらぬ平和、変わらぬ日常。
そこに潜むは異質な
古のドラゴンの力を求める、忘却の彷徨からやってきた反逆者。

その名を『ナイン』

これは『ナイン』の凶悪犯罪に立ち向かう7人の刑事たちの物語


【ささら・つづみ】アニメ『トクナナ』を楽しく見るお話【CeVIO】 - YouTube


もくじ

  • 動画を作った動機
  • 面白かったですか?
  • 残念だなと思うところ
  • 爆笑シーン
  • 気合十分

□動画を作った動機

ニコニコで視聴してた時、おそらく約一名がずーーーと文句を言ってたんですよね。
歯牙にもかけていなかったので内容までは覚えていませんが、いったい何がその人を駆り立てたんでしょうね?
こんな単純明快な話を理解できなかったということはないでしょう。

はっきりしているのは、
・自分の不満を知ってもらうためにわざわざコメントを残した。
・取るに足らない目的のために23分40秒を13回も繰り返した。
ってところですかね。

もっと有意義な時間の使い方ってのがあったと思うんですよ。
せっかく見るんなら楽しく見ようよ。
そういう気持ちから今回の動画を作りました。

#少し邪推になりますが製作のANIMA&Co.って、ちょっと前に作画崩壊で悪名が付いたNAZと同じ(?)なんですよね。
#どうして名前が違うのか?製作所は実際には違うのか?
#その辺の事情はよく分かりませんが敬遠する人にとっては知ったことでもないでしょう。
#もしかして「NAZ相手なら非難してもいい」とかいうくだらない理由で動いていたわけじゃないですよね。
#そうではないと信じたい。
#僕にもう少し人間を信じる勇気をください。


□面白かったですか?

面白さの基準をクオリティで求めているのなら
「さほど面白くなかった」とはっきり言います。
でもクオリティってなんですかね?

 

絵の奇麗さですかね?
確かに華麗なグラフィックで圧巻するアニメ作品もありますし、
見ているときは感動すらします。
ですが同時に「きれいな絵を見たいだけなら美術館へ行け」とも思うんですよね。
あまり絵にこだわりはないんです、僕(´・ω・`)

 

ストーリーの良さですかね?
この点に関しても『トクナナ』は特段見所はないですね。
あとでもう一度触れますけれど作りこみが足りないです。

キャラクターは良かったんじゃないですかね。
この作品で数少ない好評ポイントだと思います。
ベルちゃんの可愛さにはだいぶ助けられましたね。

 

このキャラの立て方がすごくFEARゲーっぽいなって思ったところでもあります。
動画では冗長になるので割愛しましたが、FEARゲーにはシーン制の他にフェーズってのがあるんですよね。
オープニングフェーズ、ミドルフェーズ、クライマックスフェーズという具合に。
そして、それぞれのフェーズは各プレイヤーのシーンを最低でも1回ずつやらないといけないんですよ。
#個人的にはこのルールは「かったるいな」って思うんですが、まあそこは一長一短です。

 

『トクナナ』も話が進展する前に必ず各キャラのシーンが入るんですよね。
これがすごくFEARゲーしてるなって感じたんです。
実際に製作スタッフがTRPGを意識しているか、
それどころか知ってるかどうかもわかりませんが、
出番を増やす演出は意識していたと思います。
こうでもしないと四季彩とベルと遠藤はモブになってしまいますからね。

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結果的にキャラは立っていたと思います。
キャラを立てるためにお話があるようにさえも思えます。
でもまあ、いいんじゃないですかね。
そういうアニメがあっても。
そうは思いません?


□残念だなと思うところ

異種族という設定が空気だったのが残念ですね。
個人的にはヴァンパイアホムンクルス「温室野菜」呼ばわりしたり、
エルフドワーフのドは土人のド」とか言ったりするんだと思ってました。
そんな感じで普段は平気で差別発言をするのに
事件になると息がぴったり合うんですよ。
前情報からはそんな粗野な荒くれものを期待してたんですよね。

 

センシティブな問題だから避けたのか、
あるいは最初からそんなものを作る気がなかったのか。
まあ「外見以外は人間と変わらない」という逃げ口を
用意しているぐらいですし、後者っぽいですよね。

 

10歩譲って差別がないのはいいとしても長所もないのはいかんともしがたいですよね。
「お互いの長所を生かして協力し合う」という演出もできたはずなのですから。
それすらないのなら「全部人間でよかったんじゃね?」ってなってしまいます。
一応種族間のわだかまりがなくなるまでの歴史があるのでテーマとして異種族設定は生かされてはいるのですが、いまいちパンチが弱かったですね。

 

弱いと感じるのには明確な理由があります。
先ほど言いかけてた作りこみの足りなさです。
「異種族全部含めて人間だ!」
とするのなら種族の違いはもう少しはっきりと表現してほしかった。
最初から融和していたのでメリハリがなく結果的に
異種族がいなくても変わらない社会になってしまったかと。

 

ウォーロックを人間として裁く」という結末はとても良かったです。
ですが「人間が勝った」というより「トクナナのメンバーが勝った」という印象でしたね。
もちろんトクナナメンバーの中に「異種族が混在する社会」を描いているという演出意図はわかりますが、それが弱いんですよ。

 

つまるところ「社会が描ききれてない」ってことが原因なんですよね。
「異種族がいる現代日本によく似た社会」があまりにふわっとしすぎているせいで要所要所で締まらないんです。

「さっきから文句ばかり。さてはアンチだなオメー」
とか言われちゃいそうですが、いいところも悪いところも受け入れられるからこそ好きになれるのですよ。
こうなってしまった理由も何となく察しがつくんです。

 

仮に前述したように種族間の差別意識があり、最終決戦を前にしてわだかまりを解消して、一致団結して勝利を得るというプロットで話を書いたとしましょう。
尺の都合で喧嘩の理由がよくわからず、ただギスギスした空気だけがあって、これまた尺の都合で二言三言で仲直りをし、うすら寒いきれいごとを並べて勝利するという三文芝居が展開されてたことでしょう。
そうなれば「陳腐だ。子供だましだ」といった感想が返ってきたでしょう。

人間は一筋縄でも一枚岩でもないから社会を描くのはとても難しいことなんです。
たとえそれが我々のよく知っている現代社会と寸分変わらないものだったとしても。
#だからどいつもこいつも異世界に逃げるんですかね?(´・ω・`)

 

現代にファンタジーで見かける異種族がいるという世界観はとても魅力的です。
そこにリアリティを持たせようとするのなら入念な作りこみが必要です。
世界観は物語を乗せる土台なので、しっかりと作らなければなりません。
その労力は半端ないんです。

1回放送したら使い捨てられるオリジナルアニメで、そのリソースを割けますか!?


動画で言ってた「難しいことをして失敗するぐらいなら王道に乗った方がいい」とはこういうことです。
たぶん作りこみよりも、やりたいことを優先したんでしょうね。
製作スタッフも楽しんで作ってたんだなって雰囲気が伝わってきました。
まあだから、上記の残念な点はこの作品の伸びしろと割り切ってキャラクターたちのドタバタ活劇を楽しむことができたわけですよ。

 

余談ですが、動画で『西部警察』を引き合いに出しましたが原題が『Alliance7』ってことは『ワイルド7』の方が元ネタだったんでしょうね。
残念ながら僕は『ワイルド7』を2011年に作られた映画を一回見たっきりなので、すぐにはこのタイトルが出てきませんでした。


□爆笑シーン

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このシーンは何度見直しても笑っちゃう。
いや、顔の傷が目立つから隠してただけって意図はわかりますけど、
その耳の横についているもっと目立つものは取らなくていいのかよと!
何?固定されてるの?ボルトでも入ってるの?
まじめなトーンでギャグやってますよね。

 

それはそうと三潴ルカの結末に関しては疑問の声がありましたね。
ウォーロックは法で裁くのに、操られていたとはいえ実行犯の1人であるルカを放置するのはどうなのかと。
もっともな疑問だと思います。
テーマがブレちゃうしな(´・ω・`)

 

『ナイン』の芽は日本だけじゃなく世界各地に散らばっている。
それを潰せるのは「ウォーロックの右腕」という顔があるルカだけだ。
法の裁きを受けている暇はない。

 

と勝手に解釈してますが、思わせぶりなセリフの応酬じゃなくってもうちょいわかりやすくしてくれても良かったんじゃないですかね?(´・ω・`)

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□気合十分

製作チームが気合を入れていたことがわかる物的証拠(?)がいくつかあります。
まず1つ目は本編で一切使われることのないカットばかりのティザーPV
「あれ?こんなお話だったっけ?」って思うぐらいにかっこいいです。
#動画で使おうと思ったのですが雰囲気が合わなかったのでやめたのはここだけの秘密。

 

2つ目は一ノ瀬栞と三潴ルカがコンビを組んでいたころの過去話を描いたスピンオフの漫画版。
『警視庁 特務部 特殊凶悪犯対策室 第七課 トクナナ File0』
始終謎の人物としか描かれていない三潴ルカの人となりがわかる一品となってます。
また、この作品を読んでいればアニメの最終回で一ノ瀬が七月を「相棒」と呼ぶシーンの見え方か変わります。
妙に期待値だけ上げるのもなんですから言っておきますけど、何か特別なことをしているわけじゃないですよ。
バディー物として王道の話が展開されていました。
ただ、それでも人となりがわかってくれば見え方が変わってくることもあるということです。
いつまで無料かわかりませんが、こちらのサイトで公開されていますので気になった方は一読ください。

https://comic.pixiv.net/works/5814

 

漫画版と言えばアニメシリーズの内容をコミカライズしたものもありますね。
こっちは残念ながらチェックしていません(´・ω・`)
その……この作品に限ったことじゃないのですがアニメ本編の内容を後追いしたコミカライズって放送が終わった後も続くうえに内容もさして変わらないからモチベーションが続かないんですよね。
もちろん漫画版ならではの表現もあるのでしょうが、それがどれほど「売り」になるかは本編のクオリティ次第ですよね。

 

3つ目は円盤特典のOVA
『File.0.5「一年前、二条クジャクの憂い」』
タイトル通りの二条クジャクの確執を描いた過去話です。
本編は基本的に一ノ瀬と七月の視点で描かれており、二条は陰で睨みつけてくるだけでした。
なので番外編という形ではありますが二条視点が描かれることでスッキリしますね。
#総集編がなければ本編に入る予定でもあったのかな?
有料ですがチャンネルからも見ることができます。

 

4つ目は2冊出たドラマCDです。
残念ながらこちらもチェックしてません。
っていうかこのブロマガを書いてるときに気づきました(´・ω・`)
異種族交流の合コンはちょっと興味ありますねw

お話を作るとなると製作チームががんばってくれないと出せないものなので、この辺からも気合は十分に感じられると思います。
特にドラマCDなんて単語は久しぶりに聞いた気がします。
ソシャゲとか強力なバックボーンがある作品ならいざ知らず、オリジナルアニメで円盤特典ではなく販売でドラマCDというのは、ここ2~3年の事例で見れば珍しい方でしょう。

製作も頑張ってたんだよってのが少しでも伝わったでしょうか?
ポコタンはなんだか不遇なANIMA&Co.を応援しております。