pokotan_RXのブログ

適当にアニメのことを書いてると思います。

TVアニメ『Fairy gone』がよくわかるお話【完結編】補足



2クール無事に終わった『Fairy gone』。
正直言うと第2クールは動画にしなくてもいかなっと思ってました。
イージェイ退場後は風呂敷をたたむことに一生懸命で、よく言えばわかりやすいストーリーでした。なので『よくわかる話』は必要なかろうと……。

ですが最終回を見終わったあとに物足りなさを感じたのです。
「ウルフランの扱いってこれでいいのか?」
ウルフランは復興を遂げようとしている世界に、依然として熾火のようにくすぶる戦争の火種です。いうなれば、この物語における闇の最深部です。
なればもっと濃く、もっと鮮やかに描いていかないと世界そのものが薄っぺらくなってしまいます。
#絵でも黒を奇麗に使うと立体感が出て発色も際立つでしょ。そんな感じ。

ホントいい素材しているのにもったいないですよね。
っていうか使いこなせなかったのかな?

ウルフランがあまりにも不憫なので動画にしようと思った次第ですが、これが思いのほか時間がかかりました。
なんせ動機が「不満」なので台本のいたるところに「棘」が出てくるんですよね。
数少ない視聴者に僕の不満をぶつけて不快にさせるのは本意ではありません。
見てくれる人は本当に『フェアリーゴーン』を楽しんでくれた人だと思うんですよね。
#アンチは今頃次のやり玉に挙げるターゲットを探してるだろうし、リピーターにはならないでしょう(´・ω・`)

なので可能な限り刺抜きをしてきました。
されど自分の動画で心に嘘をつきたくないんですよね。
「ダメだな」と感じたところははっきりと言うべきだと考えているんです。
そういうところはまるで鋭利な刃物のように言葉が出てくるわけですよ。
それで視聴者が傷つかないようにオブラートで包んでゼリーもどぷどぷ足して台本を修正してきました。
これがかなり難儀でした。

動画をいったい何人の人が最後まで見てくれたのかわかりませんが心から感謝しております。
わざわざブロマガまで来てくださっているのになんですが、動画に輪をかけて不満要素が多くなっております。
覚悟してってください(´・ω・`)


もくじ

  • 没OP
  • 楽しんで見ているのに「最後まで面白そう」とは?
  • オミットしたこと
  • シュヴァルツ・ディーゼは惜しい男だった
  • 心残り
  • このアニメどこが悪いんですかね?

●没OP

霊夢「『フェアリーゴーン』が無事2クール終了した。だが現在円盤の売り上げが芳しくない。何が足りないと思う?」
魔理沙「Power!」
魔理沙「Power!!」
魔理沙「Power!!!」


当初はイギリスの『トップギア』というおバカドキュメンタリーを元ネタにしたOPを考えていました。ですがパワーおじさんがいたころの『トップギア』を知っている人もそろそろいないだろうし滑っちゃうんだろうなと思って没にしました。
どうせ滑るなら自分の心をトップギアに入れるべきだろうと考えて、あのような茶番がOPになりました。
しかしですね、この没案は僕の本心そのものなんですよ。

『フェアリーゴーン』に決定的に足りないのはパワーなんですよ。
魅力だったり勢いだったり派手さだったり。
そういった技を超える限りないパワー!
設定をいくら作ったって活かされてないなら小細工です。
その程度で視聴者の心をつかめるほどアニオタの世界は甘くないです。
アニメはパワーだぜ!!


●楽しんで見ているのに「最後まで面白そう」とは?

動画の最後で言ってた、ちょっとおかしな言い回し。
そんなに難しいことじゃないですよ。
お弁当に例えるとわかりやすいかも。

お弁当箱ひとつひとつが1話です。
つまり『フェアリーゴーン』は24個のお弁当でできてます。
食材は高級品からご当地名産まで、いろいろそろっててとっても豪華。
おいしそうですよね。

でも実際の調理は下手で食材のおいしいところも切り落としてしまっている。
お弁当の詰め方もバランスが悪く、隙間だらけ。
それらをふりかけ(音楽)でとりあえず食べれるように仕上げた。
それがこの作品をお弁当に例えたイメージです。

そして三角コーナーに捨てられた食材のおいしいところにたかっているハエが僕です。


え?なに?悪趣味だって?
そんなことはありません。

どんな名作でもごみは出てきます。
その捨て方ひとつとっても芸術的だからこそ名作なのです。
(向こう側が透けて見えるほど薄く皮をむいたり、おいしいところだけを使って残りを大胆に捨てたりとか?)
アニメを考察しながら見てる人ってのは(とらえ方の違いはあれど)このように作品の内容だけでなく、舞台裏の過程のようなものも透かして見ながら楽しんでいるはずです。
やってることは同じなんです。
ただ、たまたま僕は『フェアリーゴーン』が好きになってしまっただけなんです。

なので「楽しんで見ていた」し「面白そうだな」という印象を最後まで持っていたんです。

 

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余談:
動画内で誤字がないように何度も見直すのですが、今回はとんでもない誤字をしちゃいましたね。
「最期まで面白そう」って死んでるやんけ(´・ω・`)
『フェアリーゴーン』を愛したポコタンは死んだってことか?


●オミットしたこと

霊夢「レイ・ドーンはこれ以上妖精憑きを増やさないためにスーナを村人ごと焼いたというのはわかりましたが、どうしてそこまでしたのでしょうね」
霊夢「これは僕の勝手な妄想ですがレイは妖精兵の作り方の秘密を知ってしまったのではないかと考えました」
霊夢「それは野生の妖精憑きをとらえて(自主規制)」
霊夢「それから妖精憑きに妖精器官を張り付けて一般人でも使えるようにチューニングしていたとか」
魔理沙「おめー、そんなヤベー展開期待してたのかよ」
霊夢「そうは言うけど兄弟すら手にかける覚悟って何よ?」


音声化するとはなはだ度し難かったのでオミットしました。
文章にしても人によっては耐えられないかもしれないので自主規制しました。
規制したくなるほどむごたらしい人体実験の結果作られたのが妖精兵だとしたらレイ・ドーンの行動も納得できます。
劇中の情報だけだと森を焼いて融合体を退治したほうがよかったんじゃね?って思えてきますよね。
#融合体退治するより村人退治したほうが早いってのも分かるけどね(´・ω・`)

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●シュヴァルツ・ディーゼは惜しい男だった

動画のテキストでさらっと流しましたが、五公の3人とレドラッド王を殺したのはシュヴァルツ・ディーゼだと思うんですよ。
理由は「動機があるのはコイツしかいねぇ」ってだけなんですけどね。
特に終戦のきっかけになったレドラッド王の自害ってのがどうしても腑に落ちなくてですね。

皆さん、身の回りのニュースを振り返ってみてください。
会社だのなんだので不祥事を起こしたら、最高責任者は辞任という名の体のいい逃亡をするじゃないですか?
死んで償うなんてふつうしないんですよ。
曲がりなりにもレドラッドはアイネデルンと並ぶイースタルドの双璧であったのだから、停戦もせずに自害なんてするほど愚かじゃないと思うんですよね。
自殺に見せかけて殺されたとしたほうがよっぽど得心が行くんです。

具体的な方法はもう知ったこっちゃないです。
暗殺者を送ったが、あるいはシュヴァルツおじさんが面会の予約を取って直接毒を盛ったか……後者っぽいなぁ。
この世界なら後者でやれちゃいそうだよ(´・ω・`)
そして「あ~~あそこでレドラッドがヘタレなければなあ~。まだまだ戦えたのになあ~(棒)」と“自分の責任ではない”と触れ回って降伏すればメンツは保たれるという寸法です。

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なぜこんなことを考えたかというと、ウルフランが節操なくシュヴァルツおじさんやレイに情報を売って回る理由が説明できるからです。
何らかの形でウルフランはシュヴァルツ・ディーゼがレドラッド王を暗殺した事実を知る。
動画でも触れましたがレドラッド王が自害ではなく、ちゃんと降伏していれば無駄な不幸を作らない終戦もあり得たわけです。
つまりウルフランが復讐するべき相手は漠然とした「愚かな人間たち」ではなくシュヴァルツ・ディーゼだったのです。

だからハイブランツ公支持派のアーケイムに入会し、シュヴァルツおじさんの動向を観察。
そして一番いいタイミングでレイ・ドーンを利用して復讐を果たした。
ただしこれは完全に根拠のない憶測なので動画にはしませんでした(っていうか尺がねぇ)。


●心残り

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ヴェロニカのことを語れなかったのが心残りです。
っていうか語ることないんですよね。
10割がたダミアンのせいなんですけど(´・ω・`)
この男が何も語らないので失われた8年が本当に何もなくなってしまいました。

和解後はマーリヤとくどい程イチャイチャして「イイハナシダナー」で終わらせる気まんまんでしたし、本当に語れる内容がないです。
復讐だけを糧に10年以上も生きるって辛いことだと思うんですよね。
誰かが支えてくれたり、気を紛らわす何かがあったりしてもいいと思うのですが、想像するきっかけとなる情報が皆無です。
キーキャラクターなのに中身がスカスカなのが残念で仕方ありません。


●このアニメどこが悪いんですかね?

よくアニメで悪く言われるポイントで監督脚本作画の3つがあがりますよね。
本来アニメは多くの人の手によって作られるので「どこどこが悪い」って一か所だけを批判するのはナンセンスなのですが、上記の3つは目立つところなのでどうしてもやり玉にあがりがちです。
1人のオタクとして非難してしまう気持ちもわかります。

好きな作品をあまり悪く言いたくはないのですが『フェアリーゴーン』においては「脚本」が足を引っ張っていると言わざるを得ませんね。
本作品は十文字青さんという小説家が全24話をほぼほぼ一人で書いたとなってます。
アニメの脚本を書いたことないのでわかりませんが、1回か2回書いたことがある程度の経験でオリジナル作品の24話を一人で書き上げるって簡単にできることなんですかね?
ふつうは無理だと思います。

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実際に脱稿したという純然たる事実があるのですから十文字青さんの筆の速さは驚愕です。

しかし良き脚本に求められるのは筆の速さだけではありません。
先の展開を見据えたストーリー構成視聴者の理解度を意識した進展など求められる要素はたくさんあります。
一朝一夕で身につくスキルじゃないですし、それらができるからこそ脚本家は飯を食っていけるんです。
なんで一人で書かせちゃったんでしょうね。

まるで十文字青さんひとりが悪いと言ってるみたいに聞こえるかもしれませんが、
そうではないんです。
青さんの他にもアニメをいくつも手掛けてきたプロフェッショナルが何人もいたはずなんです。
なればこの結果は予想がついたはずなんです。
なのになんで一人で書かせたのか?
僕がこのブロマガの最後に言いたいのはそこなんです。

僕なんかには実際の内部事情を知ることなんてできません。
なので青さんが「俺一人で大丈夫っすよ!ヘヘッ」って言ったのか、あるいはもっと発言力のある人に「青ちゃんひとりで大丈夫だよね。ヨロシクッ!」って言われたのかわかりません。
前者だったら自業自得ですが後者だったらかわいそうですよね(´・ω・`)
口さがない人には「小説家崩れなんかに脚本書かせるんじゃね」ぐらいの勢いで言われてましたし、この手合いの悪口はくだらないことにいつまでも残りますからね。
ホントに不憫でなりません。

企画スタート時点で人材集めをもうちょっと頑張れば『フェアリーゴーン』は名作になる可能性は十分にあったんです。
少なくともそのポテンシャルはあると断言していいです。
#売上ゴーンとか言われなかったであろう(´・ω・`)
オリジナル作品だから下りる予算が少ないとか、原作のないプロジェクトで人数を増やしたときのデメリットとか事情は察します。
けれども「ひとりで書かせる」とゴーサインを出したのは「クオリティを下げてでも敢行する」と言ってるのと同じなんですよね。
その過程がどのようなものだったのか知る由もありませんし、詮索するのも無粋でしょう。
ただただ惜しまれるだけです。



長々と見苦しい愚痴でお目汚しさせてしまいました。
されど僕は『フェアリーゴーン』を最後まで楽しんでたのは本当です。
どうしてそこまで楽しめるのか?
それは失敗作があればこそ名作も生まれると知ってるからです。
だから『フェアリーゴーン』も未来の名作につながると信じてます。
ポコタンはこれからもアニメ制作にかかわるすべてのクリエイターを応援しております。